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幻惑のラフレシア(OCG) 効果モンスター 星2/地属性/植物族/攻 300/守 900 リバース:ターン終了時まで相手フィールド上 表側表示モンスター1体のコントロールを得る。 コントロール リバース 下級モンスター 地属性 植物族
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【元ネタ】アマディス・デ・グレシア 【CLASS】セイバー 【マスター】 【真名】アマディス・デ・グレシア 【性別】男性 【身長・体重】182cm・75kg 【属性】混沌・中庸 【ステータス】筋力B 耐久D 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具B+ 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:C 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、 野獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 魔力放出(炎):B+ 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。 セイバーの場合、『揺るぎなき剣紋の騎士』の影響で、ただ血を巡らせ呼吸するだけで 魔力の炎を生み出しており、燃え盛る炎が武器に宿っている。 【宝具】 『揺らぎ燃ゆる波紋の剣(アルディエンテ・デ・エスパーダ)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人 巨人を倒した魔剣“燃ゆる太刀”の顕現。 セイバーの「魔力放出(炎)」によって生み出された火焔は、常にその剣に注入され続けており、 刀身に秘められ、幾層にも重なった火焔は、真名解放によって刃より放散し、 波状の猛炎となって射程内を焦土と化す。 発動には、剣に蔵された魔力の炎を消費する為、セイバー自身の魔力消費は然程ではないが、 一度発動した後に再び真名解放するには、剣に魔力が注入しきる相応の時間が必要となる。 『揺るぎなき剣紋の騎士(カバレロ・デ・ラ・アルディエンテ・デ・エスパーダ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 セイバーの二つ名にもなった、胸に描かれた剣の紋様。 この紋様はセイバーの「魔力放出(炎)」の源であると同時にある種の呪いでもあり、 セイバーが持つ武具は火焔を纏い、炎属性のE~Cランク宝具として判定される。 宝具化した武具が剣や槍ならば、『揺らぎ燃ゆる波紋の剣』の発動も可能だが、 あくまで炎の宝具とする効果しかないので、元の武具の品質までは向上せず、 宝具としての扱いに耐え切れず破損しやすい。 【解説】 中世のスペイン騎士道物語「アマディス・デ・グレシア(ギリシャのアマディス)」の主人公。 全欧州にその勇名を轟かせた大騎士アマディス・デ・ガウラの曾孫に当たる。 ギリシャ王国リスアート王は、トレビソンド国のオノロリア姫と恋に落ち、 男児アマディスを儲けたが、父王の怒りを恐れたオノロリアは、この子を侍女に託して田舎で育てさせることにした。 しかし田舎への道中、男児は海賊に攫われてムーア人の王に売り込まれて、その地で養育された。 アマディスは生まれつき胸の上に剣の絵が描かれていた為、成長して騎士となった日に 養育者の王より「燃ゆる太刀の騎士」という異名を授かった。 アマディスはその地の姫より恋心を寄せられたが、大恩のある王を裏切る真似は出来ぬ為、 冒険の旅に出かけ、その勇名を高めた。 一方、アマディスの両親である王と姫は未だに婚姻が認められておらず、姫には多くの縁談が持ち込まれ、 その中には強硬手段も辞さないと申し出るバビロニア王もいた。 ここに至って、オノロリアはようやく既にアマディスという子がいることを明かすと、 バビロニア王は怒りも露わにして帰ろうとし、バビロニアのアブラ姫はリスアートに恋するも、 膠も無く断られ、やはり憤りを覚えて去っていた。 バビロニアの王族は帰国する途中、アマディスと出会い、その武勇を見込んで リスアート王討伐の助力を頼み、アマディスは内心で笑いながらもこれを請け負った。 いざ戦争の日、アマディスはバビロニアを裏切ってリスアートに着いたので、バビロニアは大敗したが、 オノロリアも急死してしまい、そこでアマディスはアブラ姫と父リスアートの縁談を提案し、 西アジアには真の平和が訪れた。 一方、アマディスも他国の姫ニケーアと秘密の恋を育み、トレビソンド国にてフロリゼルという男児を儲けた。 【コメント】 作中のギリシャ王国は東ローマ帝国のことっぽい。 「剣紋」と書いて「つるぎ」と読むらしい。宝具は大体捏造。 読んだ邦訳版では巨人を倒した逸話は見当たらなかったけど、 ドンキホーテ作中で巨人を倒したと語られているので、きっとスペイン語原典ではそうなのだろう。 ギリシャのアマディスの父リスアート王は、ガリアのアマディスの孫で、 エスプランディアンの子なのだが、色々整合性に難が出てきたりする。 しかし、このアマディス君は、どのタイミングで実の両親のことを知ったのですかね。 適正クラスはセイバーのみだが、騎士だからライダーにもなれるでしょう。
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崩落 の ステージ(後編) ◆HlLdWe.oBM 今から思えばこの時誰もが油断していたのだろう。 思いもかけぬ再会に心が安らいで気が緩んでいたのだろう。 だから誰も気付く事ができなかった。 一途な願いを叶えるために殺人を犯す小さな魔導師の存在を。 小さな魔導師に仕える炎の魔人を。 主命により魔人がもたらす地獄の業火を。 ▼ ▼ ▼ 「ルル、ありがとう」 シャーリーはこれから死にゆくものとは思えないほど安らかな表情を浮かべていた。 これも咄嗟に掛けたギアスのおかげか。 本当なら再びシャーリーにギアスを掛けたくはなかった。 だがこうするしかなかった。 突然起こった地震並みの揺れとアニメイト全体の倒壊。 降り注ぐ瓦礫の雨と押し寄せる炎の波。 どれも防ぐ事など出来なかった。 魔眼を備えようともこの身は人の域を出ない。 金髪の男や赤いコートの男と同じように人の域を超えた怪物には為す術がなかった。 一瞬で瓦礫は隙間なく降り注ぎ、炎は身体を舐め尽し、こうして思考しているのが不思議なぐらいだ。 唯一出来た事はシャーリーをしっかりと抱きしめてやる事だけ。 『幸せな夢を見ろ』という最期のギアスを掛けたのはその時だ。 これから死ぬ運命を変えるのは不可能だった。 だがせめて死ぬ瞬間までは辛い思いはしてほしくなかった。 もうシャーリーは十分辛い目に遭ってきたのだから。 それにしても、本当に嬉しそうな顔だ。 たぶん俺に告白する夢でも見ているのだろうか。 ふとそんな気がした。 だがシャーリーすまないな。 夢の中の俺なら君の想いに答えてやれるだろう。 だが現実の俺はそれには答えられない。 なぜなら俺が愛する者は唯一人あいつしかありえないからだ。 こんな状況だからこそ改めて分かる事もある。 自分がどれだけあいつの笑顔や行動に救われてきたか。 もうあんな風に口喧嘩する事も笑い合う事もできないんだな。 ――好きだったんですね、その人のこと。 ああ、そうだ。 俺はスバル・ナカジマという女性を心から愛している。 だがその想いも死んでしまえばそこで終わりだ。 「最期にあいつの顔、見たかったな……」 ▼ ▼ ▼ ルーテシア・アルピーノはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごへ向かっていた。 なぜ北へ向かっていたはずのルーテシアがこのような状態になっているのか。 それにはいくつかの理由があった。 【放送前後のルーテシアの動向】 元々ルーテシアの目的地はC-9にあるスカリエッティのアジトであった。 目的は本来ならば生体ポッドの中にいるはずの母メガーヌ・アルピーノがいないという証言の確認。 誰にも会わないままアジトに辿り着き、さらに見慣れた場所ゆえに万事順調に進んで第二回放送前には目的は果たせた。 その結果、メガーヌの姿はどこにもない事が判明した。 これで転送前のプレシアの発言と天上院明日香の発言の裏付けが取れた。 しかしだからと言ってルーテシアの行動方針に変更があるわけではない。 あくまで全ての参加者は別々の世界から連れて来られたという事を再認識しただけだ。 それから行われた第二回放送に関してはプレシアからの提案以外は特に興味を引かれるものはなかった。 敢えて言うなら取引を交わした一人ブレンヒルトの死亡だが、それも最初から乗り気でなかったので特に思う事はなかった。 そして放送後ルーテシアは周辺の探索に勤しむ事にした。 ルーテシア自身の体力は全参加者から見れば下位であるが、それを補う足としてマッハキャリバーというデバイスがある。 このデバイスのおかげで行動距離はずいぶんと広くなっているのだ。 目下ルーテシアの探しているものは大きく二つに分けられる。 一つはキース・レッドに頼まれているキース・シルバーや『ベガルタ』『ガ・ボウ』の情報。 だがこれはそもそも乗り気ではないので正直どうでもいいとさえ思っている。 そしてもう一つこそ本命、つまりイフリート以上の戦力の確保。 確かにイフリートの力は並みの参加者にとっては脅威となるだろう。 だがあの剣士のように対抗できる参加者がまだいるかもしれない。 さらに召喚の際に要するタイムラグと疲労も無視できるものではない。 何よりイフリートを渡してくれたキース・レッドはもしもの時に備えて既に何か対策を講じている可能性は十分にある。 つまりイフリートの力を過信して安易に頼ってばかりはいられないという事だ。 アジト周辺に大して何もない事が分かると、ルーテシアはキース・レッドとの取り決め通り会場の北を中心に捜索しようとした。 だが森の中より市街地の方が見つかり易そうと考えてD-5の橋を渡って北西方面に向かう途中であるものを見つけた。 それはE-7の駅からA-8へと伸びる謎の線路。 地図を確認するとこの会場唯一の駅は橋へ向かう途上の近くにあったので探しものがてら少し寄ってみる事にした。 ちなみに廃墟も近くにあったが、何かあるとは思えないので寄らなかった。 そしてルーテシアは温泉に向かっていたシャーリーを発見した。 この時ルーテシアはある作戦を思いついた。 ――囮だ。 わざとシャーリーを生かして逃がす事で近くの参加者を引き寄せて、そこでイフリートを召喚して一掃するという算段だ。 上手くいけば殺した参加者から有能な道具が手に入る可能性もある。 ルーテシアはその作戦を思いつくと即座に実行に移した。 適度に攻撃射出魔法トーデス・ドルヒを放ちつつ付かず離れずの距離を保って追いかける。 もう既にマッハキャリバーの扱いにも慣れてきたのでシャーリーと違ってルーテシアの疲労は大した事なかった。 シャーリーは最初こそ銃撃や投擲で難を逃れようとしていたが、全て失敗に終わると後は逃げるだけに徹するようになった。 この際見た感じ役に立ちそうになかった弾切れの銃とバッグ以外は何かに使えると思って拾っておいた。 だがバッグを投げた時に零れ落ちた1枚のカードの存在にはシャーリーもルーテシアも気づく事はなかった。 しばらくそれを続けていたが、予想に反していつまで経っても誰も現れなかった。 実際は数人気づく可能性があったのだが、各々の事情で気付く事はなかった。 だからこの地獄のような鬼ごっこはかなりの間に渡って続いたが、最終的に途中で中断された。 その原因は早乙女レイにある。 【エボニーの試射】 ルーテシアがシャーリーを追いかける事を中断したのは瀕死のレイを発見したからだ。 当然ルーテシアの前を走っていたシャーリーも気づく可能性はあったが、逃げる事で精一杯だったので気づく事はなかった。 しかもレイが倒れていた場所は二人がいた道から少し離れた場所だった上にハイパーゼクターの出現もあって尚更だった。 この時ルーテシアはシャーリーが既に限界に近いと勘付いていた。 だから少しぐらい目を離してもすぐに見つかると高を括っていた。 そうして一応シャーリーが西へ向かった事だけ確認してからレイの方に向かったのだ。 ルーテシアがレイに興味を持ったのは荷物を回収する事に加えてエボニーの試し撃ちをしておこうと思ったからだ。 キース・レッドから貰い受けたもう一つの武器、黒鍵を思わせる拳銃エボニー。 質量兵器が殺傷能力に長けている事はルーテシアも知っていたが、実際の威力までは知らない。 だから本番で不覚を取らないように一度試し撃ちをして威力などを確認したいと考えていた。 そこで発見したのが瀕死の状態のレイ。 動かない的として適任な上に参加者殺害によるプレシアからの見返りも期待できる。 そして十分に近づいたところでエボニーを撃った。 レイは最期まで何をされるか分かっていないようだったが、ルーテシアには関係ない事だった。 結局片手で撃てば無理そうだが、両手で撃てば問題ないという結論に至った。 残念ながらデイパックはなかったのでここでの目的は終わった。 そしてシャーリーの行方を探るのだが、意外な事が契機で見つける事ができた。 その原因はスバル・ナカジマにあった。 【イフリートの召喚】 ルーテシアがシャーリーの居場所を見つける事ができたのはスバル・ナカジマの行動のおかげだった。 スバルが裏口で盛大にドアにぶつかった時、ちょうどルーテシアがアニメイトの前を通っていたのだ。 当初西へ向かって捜索していたルーテシアだったが、意外とすぐにシャーリーを見つける事ができなかった。 そんな時にスバルがドアに激突した奇妙な音を耳にしたのだ。 そして気になってアニメイトの中を注意深く覗き込んだ結果、店内にいるシャーリーとルルーシュを発見できた。 ちなみにこの少し前にスバルは正面の入口に来ている。 だが日の光の加減で中の様子が見えなかった事に加えて自動ドアが反応しない時点で裏口に回ってしまっている。 この時自動ドアを叩けば中にいるシャーリーとルルーシュが気づく可能性はあったが、所詮は後の祭りだ。 その時とは違ってルーテシアはドアに張り付き目を凝らす事で中の様子を把握できた。 この瞬間スバルとこなたは裏口で談笑していて死角にいて、ルルーシュとシャーリーは感動の再会の真っ只中。 それはまさにタッチの差としか言いようがないタイミングだった。 そして炎の魔人による蹂躙が始まった。 もう囮作戦も頃合いだと判断するとイフリートを召喚して外から一方的にアニメイトを破壊した。 天高く振り上げられた剛腕から繰り出される槌の如き一撃でアニメイトはほぼ倒壊。 さらに灼熱の業火を思わせる「地獄の火炎」による焼き払いで残骸は灰塵と化した。 まるで元から会場には地図の通りそんな建物は存在しなかったかのように。 そしてアニメイトを襲撃したルーテシアは北へ戻らず、さらに南下して聖王のゆりかごに向かう事にした。 その理由はヴィヴィオにある。 【聖王のゆりかごの利用】 ルーテシアが聖王のゆりかごを目指す契機となったのはヴィヴィオを発見したからだ。 あの後少々やりすぎた感を抱きながらルーテシアはアニメイト跡地で何か使えるものが残っていないか探した。 だがイフリートの力によってデイパックは中の道具諸共ほとんどが灰となり、死体も炭化していた。 辛うじて回収できたのはなぜか無傷だったトランプのカードと、少し離れた場所に落ちていて無事だったアサルトライフル。 実はトランプが燃えなかったのはアンデッドを封印する特殊なカードだからで、ライフルはこなたが落としたものなのだが、当然ルーテシアはそのような事情は知らない。 その二つは途中で拾ったデイパックと一緒に自分のデイパックに入れておいた。 そして予想外の収穫は唯一の生存者ヴィヴィオである。 なぜかバリアジャケットのような意匠の服を着ていたのでそのおかげかとも思ったが、どうも違うらしい。 なぜヴィヴィオは無事なのか。 それはヴィヴィオ自身と装備していたクラールヴィントのおかげだ。 あの時ヴィヴィオは迫り来る危機に対して無意識で「聖王の鎧」を発動させていた。 ひとたび危険が迫れば本人の意思とは関係なくその身を守るという古代ベルカ王族が遺伝子レベルで所有している自動防衛能力。 それに加えてクラールヴィントが自主的に発動させた防御魔法。 この2つの防護のおかげでヴィヴィオは無事だったのだ。 そして襲撃時にアニメイトの一番奥に位置する事務室にいたのも幸いだった。 そのおかげで地獄の火炎はヴィヴィオに至るまで瓦礫に阻まれて威力は半減していたからだ。 だが今は直前にルルーシュへの治癒魔法も行使していた事もあって多大な魔力を消費したために意識を失っている。 しかしルーテシアにとってはそのような事情はどうでもよかった。 重要なのはヴィヴィオを保護できたという事。 聖王の器であるヴィヴィオは聖王のゆりかごを起動するための鍵である事はルーテシアもチンクから聞かされて知っていた。 そのヴィヴィオは今自分の手元にある。 つまりこのまま聖王のゆりかごに行けば、その強大な戦艦の力を手に入れる事ができる。 それはイフリートよりもさらに強力な力であり、おそらく実現すれば生存している全参加者で太刀打ちできる者はいない。 だからルーテシアはヴィヴィオを背負って聖王のゆりかごに向けて移動しているのだ。 その先にある希望を信じて。 【1日目 午後】 【現在地 G-7 大通り上(南下中)】 【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、魔力消費(中)、疲労(中)、キャロへの嫉妬、ヴィヴィオを背負っている 【装備】マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ウィルナイフ@フェレットゾンダー出現! 【道具①】支給品一式、召喚マテリア(イフリート)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、エボニー(9/10)@Devil never strikers、エボニー&アイズリー用の予備マガジン×1、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レイとフェイト(A’s)のデイパック(道具②と③) 【道具②】支給品一式(名簿の裏に記述あり、内容は情報交換のメモと同じ)、SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、情報交換のまとめメモ(内容は守りたいもの参照) 【道具③】支給品一式、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:最後の一人になって元の世界へ帰る(プレシアに母を復活させてもらう)。 1.どんな手を使っても最後の一人になる(自分では殺せない相手なら手は出さずに他の人に任せる)。 2.南に向かい聖王のゆりかごを起動させる。 3.18時に地上本部へ行き、キース・レッド他集まった参加者をイフリートor聖王のゆりかごで一網打尽にする。 4.3がキース・レッドに察知された時の保険として一応キース・シルバーと『ベガルタ』『ガ・ボウ』を探す(割とどうでもいい)。 5.もしもレリック(刻印ナンバーⅪ)を見つけたら確保する。 【備考】 ※ここにいる参加者は全員自分とは違う世界から来ていると思っています。 ※プレシアの死者蘇生の力は本物だと確信しています。 ※ユーノが人間であると知りました。 ※マッハキャリバーは参加者の時間軸の差異に気付いています。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、疲労小、魔力消費極大、シャーリーへの心配、知り合いが死んだ事への悲しみ、強い決意、浅倉に対する複雑な感情、ルーテシアに背負われている、気絶中 【装備】クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フェルの衣装、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:六課の皆と一緒に脱出する。 1.シャーリーお姉さんを助けたい、ルルお兄さんも助けたい。 2.ママ達がいなくなってもヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたい、浅倉お兄さんともお話したい。 【備考】 ※浅倉は襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。 ※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはやフェイトがいる事に気付いていません。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 ▼ ▼ ▼ 泉こなたが目覚めた瞬間に目にしたものはこちらの顔を心配そうに覗き込むスバルの顔だった。 「こなた、気が付いて良かった……」 「え、私、なんで……」 こなたは意識を失う前の出来事を懸命に思い出そうとした。 ルルーシュとシャーリーの再会に水を差してはいけないと思ってリインを連れて外に見張りに行こうとした。 一応なぜかシャーリーが持っていた自分のデイパックと護身用にアサルトライフルは持ち出した。 そして静かに事務室に移動。 それから二人の邪魔にならないように配電盤を操作して自動ドアが開かないようにセット。 次いでソファーの上でまだ眠っているヴィヴィオを確認してから裏口に向かった。 そこで鍵が掛かったドアを無理やり開けようとする何者かの存在に気付いた。 恐る恐る覗き穴から確認するとそこにはドアを拳で破壊しようとしているスバルがいたので急いでドアを開けて再会した。 そこで記憶は途切れていた。 「スバル、ここはどこ?」 「アニメイトから少し離れたところにある建物。たぶん見つかってはいないと思うよ」 その言葉は暗に自分達が追われているという事を意味していた。 護身用に持っていたはずのアサルトライフルが無くなっている事からも何か非常事態が起きた事は想像できた。 そしてスバルの左腕には骨折を処置したと思われる包帯が巻かれていた。 おそらく必死に守ってくれた証なのだろう。 「え、もしかして私達襲われたの?」 「うん、誰が襲ったのかは分からなかったけど……ただ炎の巨人を操っている事だけ分かったよ」 よくゲームで見る召喚士みたいな人をこなたは一瞬思い浮かべた。 だがそれよりも気になる事があった。 それはアニメイトにいたルルーシュやシャーリーやヴィヴィオの安否だ。 「スバル! ほ、他の皆は無事!?」 「お、落ち着いてこなた。私はこなたを守って逃げるだけで精一杯だったけど、リイン曹長なら無事だよ。 最初の攻撃を無理して防いでくれたせいで今はまだ気絶しているけどね」 「え、リイン以外は……?」 その言葉を聞いた瞬間、スバルの顔が一気に青ざめるのがよく分かった。 今までこなたとリインが無事で安心していた顔にはもう未知の怖れしか見えなかった。 「う、うそ……もしかして、アニメイトにまだ誰かいたの!?」 その時こなたは悟った。 これから自分の言う事はスバルを深い悲しみに追いやるだろうと。 だがいつかは分かってしまう事だ。 それならば早いうちに知らせた方がいい。 だからこなたは重い口を開いた 「アニメイトには……ルルーシュとシャーリーとヴィヴィオが残っていたんだ……」 「え――?」 その言葉はスバルがまたしても仲間を守れなかった事を意味していた。 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX 死亡確認】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル 死亡確認】 【1日目 午後】 【現在地 G-6 市街地 アニメイトから少し離れた建物】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労小、全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、質量兵器に対する不安、若干の不安と決意、仲間の死によるショック 【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定) 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。 1.う、うそでしょ……。 2.かがみを止めにいく。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。が、かがみの事はどう説明するべきか……。 4.アカデミアに戻って首輪を回収したい。 5.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。レイにも注意を払うようにしています。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】疲労小、仲間の死によるショック 【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ(疲労大、気絶中)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、救急箱 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰る為、自分の出来る事をする。 1.うそ、みんな……死んじゃったの……? 2.落ち着いたらこれまでの事をスバルと話し合う。 3.リインが心配。それと時間が経ってから後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 4.かがみん達……大丈夫だよね? 5.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在する事を確信しました。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、浅倉、キング、レイを警戒しています(特にレイとアーカードには二度と会いたくないと思っています)。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.落ち着いたらこれまでの事を話し合う。 2.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 【備考】 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 ※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからこれまでの経緯を聞きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.これまでの情報を纏める。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で、以下の共通見解が生まれました。 要救助者:万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、チンク、クアットロ、C.C./(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ)、炎の巨人を操る参加者 以上の見解がそれぞれの名簿(スバル、こなた)に各々が分かるような形で書き込まれています。 【全体備考】 ※アニメイトは全壊・全焼して灰塵と化しました(跡地にルルーシュとシャーリーの焼死体があります) ※以下のものが焼失しました。 ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、シャーリーのデイパック(支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX)、ルルーシュのデイパック(支給品一式、洞爺湖@なの魂、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、シーツ数枚) ※【E-7駅】と【G-6アニメイト跡地】の間のどこかにレッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D s ―LYRICAL KING―が落ちています。 ※リインフォースⅡのお出かけバッグとゼロの銃(0/10)は破壊されました。 【涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)】 某有名アニメ涼宮ハル○の憂鬱に出てくる主要人物が通っている県立北高校の女子用の制服を再現したもの。 水色と白のセーラー服とスカートで、胸元の臙脂色のリボンが特徴的。 ただし涼宮ハル○(CV:平野綾)仕様という事でオプションとして黄色のカチューシャと『団長』と書かれた腕章が付いている。 こなたはアルバイトのコスプレ喫茶でこの衣装を着用している。 【フェルの衣装】 某18禁ゲームプリズム・アー○に出てくる自称「自称天才魔法操者」フェル(CV:水橋かおり)の衣装を再現したもの。 先が二つに分かれた大きな薄紫色の帽子と背中の大きな薄橙色のリボンが特徴的。 Back 崩落 の ステージ(前編) 時系列順で読む Next 共振~バイブレーション~ 投下順で読む Next 機動六課部隊長斬り捨て事件~バトルロワイアル放浪ツアー、街角に待ち受ける幻惑の罠、鉄槌の騎士と烈火の剣精は聞いていた~ ルーテシア・アルピーノ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) ヴィヴィオ Next ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) スバル・ナカジマ Next Blue Swear―――蒼い誓い 泉こなた Next Blue Swear―――蒼い誓い 早乙女レイ GAME OVER ルルーシュ・ランペルージ GAME OVER シャーリー・フェネット GAME OVER
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【名前】プレシャス=プライス 【性別】男 【所属】魔術 【能力】血の靴(レッドブーツ) 【能力説明】童話『赤い靴』をベースとした術式 術使用者の血液が付着した物体を意のままに操る事ができる 面積の4分の1に血液が付着してさえいれば、どんな重量の物でも操る事ができる 銃や車なども操れるが、人間だけはどんなに血液が付着していても操る事ができない 【概要】とある魔術結社のリーダーで10代後半の青年 おちゃらけた性格であるが、物事に自分なりの考え方をしっかりと持っている 既に院卒の資格を持っている天才 年上のお姉さんに弱いので、自分より年下の女の子を好む その為他のメンバーからは『ロリコンリーダー』と呼ばれている 【特徴】銀髪のウルフカット すごく着崩した黒のスーツスタイル 【台詞】 「ちわーっす、宅配便でーす!苦ーい苦ーい絶望をお届けに参りましたー!なーんてな!」 「何も失わずに、望んだ物全てを掴み取れると思うなよ?」 「死ぬまで踊り続けろよぉ!」 【SS使用条件】ナッシング
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閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>没ネタ供養>2003/07/06 2003/07/06 ・降りしきる雨にもめげず燃え続ける火事とは根性ありよる。 ・鯉の髭 ・プラトニックラブ?それは夫婦のことだろう? ・セコハン。セカンドハンド、中古、お古のこと。 ・封書が第一種郵便物 葉書が第二種郵便物 定期刊行印刷物が第三種郵便物 不定期刊行郵便物が第四種郵便物 案内状ダイレクトメールが第五種郵便物 ・「注意一秒 怪我一生」コンドームの宣伝 ・崇徳院は白峰神社に祀られていること。 ・裁判長が興奮したらそれは猥褻と認定される。だから殆ど認定されてしまうのだ。 ・赤煉瓦。塩鮭のこと。 ・PRESEA 「プリシー」プレシアは無理があると思う。 ・非理法権天。非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は権に勝たず、権は天に勝たず。 ・「はりつけ」「そこはくぎづけと言え」 ・「女はいいけど子供は作っちゃ駄目」良く出来た嫁だ。後が怖いが。 ・ジェロントクラシー。gerontcracy. 老人支配。 ・ホロホロ鳥とは、ニワトリ以前の飛べない家禽。 ・天竺鼠。モルモットのこと。 ・ナルシストには言ってみよう。「君とこの鏡は乱反射してんのか?」 ・「お帰りなさい。お風呂にする?食事にする?それとも私?」 正解はこう。 「風呂の中に食事持って来て。裸で」 TOTAL ACCESS - Today - Yesterday - LAST UPDATED 2021-12-03 06 22 16 (Fri)
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ツキヨニサラバ 「マサキ、レーダーが反応をキャッチした。数は二つだ」 解析室のディスプレイを睨む、通信でマサキと呼ばれた少年――その眼光は少年と呼ぶには、あまりに鋭く威圧的であったが――は、その声に応えて回線を開いた。 「分かった。あちらも俺達に気がついているだろう。こちらからは呼びかけず、相手の出方を待て。向こうがコンタクトを取ってきたら、まず俺が話す」 相手の了解を得ていったん回線を切り、その少年――木原マサキは先程まで視線を向けていた、ディスプレイに再び目をやった。 ――解析率94%。 この首輪の構造自体は単純だ。機械弄りの心得があれば素人でも容易く外せるが、それには首輪に内蔵された、小型CPUの爆破プログラムを解除する必要がある。でなければ、工具を差し込んだだけで、自分の首が吹き飛ぶだけだ。そしてその解析作業はまもなく終わる――。 「俺たちの名はガルド・ゴア・ボーマンとマスターアジア!殺し合いには乗っていない! 基地の人間、応答してくれ!」 通信から聞こえる声がマサキの思考を中断させる。ガルドの名を聞いて、わずかに片眉を上げてから、ゆっくりとスイッチに手を伸ばし、口を開いた。もうひとつの顔である、秋津マサトの声で。 「……ガルドさん、木原マサキです。生きていてくれたんですね……良かった」 「木原マサキだと!?お前だったのか…」 あちらも多少は驚いているようだ。なぜここに来たのか、おおよその見当はつくが、確認のために少し探りを入れてみることにする。 「ガルドさんは何故ここへ?」 「……首輪を解析するためにこっちへ向かった人間がいると聞いてな。脱出のために協力を仰げないかと思ってここへ来た」 答える前に、僅かな沈黙。少しばかり引っかかる……。 「今度はこちらから質問だ。俺が聞いた情報では、その連中は戦闘機とバイクの二人組だった。お前の青いロボットとは一致しない。そいつらはここにいるのか?」 そのときマサキはガルドの言葉に決定的な違和感を感じた。だがそれを心の内に隠して、淀みなく質問に答える。 「ええ……実はその二人はすでに亡くなりました」 「何ッ!いったい何故だ!?」 「解析装置に罠が仕掛けられていて……ある一定のところまで解析が進むと、その人間の首輪が爆発してしまうんです。それで……尤も、その人は人間というか人工知能のロボットだったので、首輪の代わりに自爆装置が埋め込まれていて、それが爆発したんですが」 「そうか……ではもう一人はどうした?――いや、他の人間はどうなったんだ。随分と大規模な戦闘があったようだが」 基地が破壊された様子を見たのだろう。 「僕らもガルドさん達と同じ目的でここへ来たのですが、他にもそういった人達が先に来ていたんです。だから協力して解析作業を進めていたのですが……突然でした。この殺し合いに乗った人間が乱入してきて、この基地は大混乱に陥りました」 そしてマサキは感情をこめる[演技]をする。 「何とか撃退しましたが、犠牲は大きかった。僕と、あともう一人を除いた人間は全てやられてしまったんです」 「…………では解析は不可能ということか」 重い声だ。 「いえ……不幸中の幸いというか、そのロボットのシステムを使って解析を続けることができました。もうすぐそれも終了しますから――」 首輪が外せる。 マサキはここでガルドたちに選択を迫った。 「僕ら二人だけでは心細かったけど、あなたたちが来てくれたのは、僕らにとっては幸運でした。ぜひ、一緒に脱出を目指しましょう!」 「分かった。手を組もう……マスターアジア、いいか?」 「わしは一向に構わん」 「ありがとうございます!じゃあ、そこで待ってて下さい。解析室に案内するので、迎えにいきますから」 そして通信のスイッチを切った瞬間、マサキはもうひとつの貌に戻った。 人間用のゲートをくぐり、外の通路で待機する白銀の戦闘機、アルテリオンに向かって歩を進める。 「ククク……お前、元の世界に戻ったら役者になったほうがいいぜ」 アルテリオンの入口に座り込んで笑う、肉食獣のような男。ヤザン・ゲーブルの言葉に、マサキは軽く鼻を鳴らした。この男もアルテリオンの通信システムを使って、先程の会話の内容は把握している。 「フン……戯言はやめろ。それより奴らを消すぞ」 「ほう。どういうことだ?」 マサキの感じた違和感……それはガルドがプレシアのことを問い詰めてこなかったということだ。 彼女の名前は放送で呼ばれ、ガルドも知っているはずだ。 あの時、剣鉄也の攻撃からプレシアとチーフ、マサキを逃がしたガルドは、今こうして生きていることからも分かるとおり、自身も無事だった。 とすれば、再び合流するために自分たちが逃げた方向へ向かったはずだ。そしてそのとき、チーフの負傷を治療するために病院ヘ向かうことをガルドも考える。 しかし病院はマサキによって破壊されていた……ならば何故、ガルドはそのことを自分に聞いてこないのか。もし病院に来れなかったとしても、放送で名前を確認したのなら聞いてこないほうがおかしい。 マサキの方から切り出して嘘の弁明で誤魔化すこともできたが、確認するためにあえてそうはしなかったのだ。 だからガルドは事実を知っているということだ。おそらく放送で名前が無かったチーフにでも聞いたのだろう。ガルド自身も最初からマサキを疑っていた節がある。 だがマサキが首輪の解析についての鍵を握っていることを先に知りたがり、それを知ると手を組むことを承知した。もしガルドが強者に尻尾を振る犬の様な男であれば、その行動に矛盾はない。 だがそんな男はプレシアたちを庇って、たった独りで強大な敵に立ち向かったりはしない。 ガルドの目的は首輪。 そして今は、それをプレシアの件よりも優先させているに過ぎない。おそらく、いや間違いなく隙を見せた瞬間に裏切る。獅子身中の虫を敢えて飼うのも一興だが、今はそんな余裕があるとは言えない。 「あのガルドという男はいつか必ず裏切る。その前に始末するだけのことだ」 「お前が言うかね……ククク。ああ、ところであの二人、腕は立つのか?」 まるでランチに誘うかのように気楽に言い放つ。だがその貌は気弱な人間なら気絶しかねない程に凶暴だ。 「マスターとかいう方は知らんが、おそらくまともに戦えば面倒なことになるだろう。機体から降ろして、そうだな……首輪を解析するふりをして爆発させ――」 「おいおい!勿体無いことをいうなよ、せっかくの美味い料理に蜂蜜ぶっ掛ける様なことをしてくれちゃ困る。それなら俺が狩らせて頂くぜ」 マサキの表情がさっと変わる。侮蔑を隠そうともしない冷たい眼光――。 「貴様……」 「俺は確かにお前と組んだが、下についた覚えはないってことだ。俺は戦いが楽しめればいいんでね。……何なら戦るか?」 睨み合う。 空間が凍りつく。 通路の奥から響いてくる風の音がやけに大きく聞こえる。 「……好きにしろ。俺は首輪を外す作業があるから手は貸せんからな」 「そりゃあ願ったりだ。俺は勝手に獲物を横取りされるのが大嫌いでな」 ――にちり。 牙を剥く獣の様に口元を歪めてヤザンは嗤った。 ガルドとマスターアジアは基地の巨大な入り口の前で、マサキの言う『迎え』を待っていた。あたりは物音ひとつせず、まるで自分達だけが世界に取り残されたような錯覚に襲われる。 木原マサキ――よりによって奴がこの基地に来ていたとは。人畜無害の仮面を被り、イングラム達やプレシア、チーフを陥れた男。 ここに着いてからこの基地を見回したが、一部の建物が崩れて、あちこちに瓦礫が散乱していた。 何かあったのではと考えていたが、下手をすると最悪のケースもありうる。 もしマサキが他の人間を殺して、首輪の解析結果を独占していたとすれば、奴と一緒にいるもう一人もそれを知っていながら手を組んでいることになる。 二対二。しかもこちらは機体、パイロット共にだいぶ消耗している。まともにぶつかるのは得策ではない。奴の本性に気付いてないふりをして、隙を窺うしかないだろう。 それ故にプレシアのことは、こちらから問い詰めるようなことは避けた。こちらを取り込もうという腹ならば、あちらから釈明してくるだろうし、首輪の件も考えると下手に刺激したくは無い。 だが、結局マサキは最後までプレシアのことに触れなかった。これではこちらが不自然になる。 (しくじったか……だが案内するということは気付いてないか、まだ始末しようとはしていないということか……) 「どうした?何か考え事か?」 その様子を見て、マスターアジアが問いかけてきた。 できれば彼にも事情を説明しておきたいところだが、通信が傍受されてしまう恐れがあるためにそれはできない。これも後で機会を窺って説明するしかない。 基地の入り口の奥に光が見えた。レーダーの反応と照らし合わせて考えれば、あれが迎えなのだろう。ガルドは念のため、エステバリスのハンドガンを構えて警戒態勢をとる。 マスターアジアもそれを見て事情が分からないなりに察したのか、彼の機体――零影というらしい――が半身の姿勢で僅かに腰を落とし、いつでも動けるような姿勢になった。 ガルドの知るバルキリーより一回り大きな戦闘機が姿を現した。白銀のボディを持つその機体は、入り口のゲートから飛び出すと一気に天へと駆け上り、そして身を翻してこちらに降下してきた。 まるで地を這う獲物を狙う猛禽の様に。 「よけろォォ――――ッ!」 二発のミサイルがこちらへ向けて放たれた。ガルドたちがそれぞれ左右に散った瞬間、それまで立っていた場所に爆風が吹き荒れる。 ガルドは倉庫らしき建物の影に飛び込んでから回線を開いた。 「貴様、どういうつもりだ!」 「どういうつもりだと?殺すつもりに決まってるだろうが!分かりきったことを聞くんじゃあないぜ!」 嘲りを込めた言葉が返ってきた。悪い予想が当たってしまったようだ。 「この馬鹿者がぁ!あのユーゼスの思惑に乗って何とする!」 マスターアジアが通信に割り込んできた。 「俺は戦いを楽しめればそれでいいんだよ!戦えないなら逃げまどえ!せいぜい俺を楽しませてみせろ!!」 「貴ッ様ァァァァ!!」 怒りの叫びと同時に零影が宙へと舞い上がった。再び降下してきた白銀の戦闘機は、そこに上からかぶせるようにレールガンのような武器を発射する。 「だから貴様はアホなのだあああああ!!!!」 その弾丸は間違いなく零影を撃ちぬいたはずだった。 だがそれは何の手ごたえも無く後方へ通り抜けていき、零影はそのまま陽炎の様に姿を消した。 「何だと!?」 敵が驚きの声を上げる。その瞬間、すでに零影は敵の真上に回り込んでいた。 残像、いや分身か。原理は分からないが、あの機体にそんな能力があったとは。 零影が刀を振り上げる。 ――マスターアジアの勝ちだ。ガルドがそう考え、零影が必殺の一撃を振り下ろした刹那、敵は強引極まりない急降下でそれをかわしきった。 だがどちらにしろ勝負は決まった。確かに重力に逆らわず下にかわせば最速で離脱することが可能だが、この場合は地面に対する機首の角度が深すぎる。 そのまま地面に突き刺さって自爆する――。 「上ぁぁがれえええええ!!!!」 ガルドの予想はまたも覆される。 白銀の戦闘機は人型に変形し、各部のスラスターを凄まじい勢いで逆噴射させて地面とのキスを回避した。 「ちいっ!」 ガルドは逆噴射でスピードが落ちたその瞬間を狙ってハンドガンで攻撃するが、滑るような水平移動であっさりかわされた。 「いいところを邪魔するな!消えてろっ!」 レールガンの一撃がガルドのエステバリスが隠れていた倉庫に風穴を開けた。ディストーションフィールドで何とか機体へのダメージは防いだが、反撃は不可能だ。 そして敵は再び零影とのドッグファイトへと挑んでいった。 「やるなあアンタ!もっと楽しませてくれよ!」 「貴様に話す口など持たん!」 激化する二人の戦いを見上げながら、ガルドは己の非力を呪う。外部装甲をパージする前のブラックサレナならともかく、今のこの機体では機動性が圧倒的に不足している。 あの二人の戦いに割って入るなど、人喰い鮫が食らい合う海中に裸で飛び込むようなものである。 そして戦いは続く。 敵は先程の分身を警戒し、距離をとる戦法に切り換えたようだ。 一方、零影は何とか近づこうとするが、トップスピードに乗った戦闘機に追いつくのは容易ではない。 相手の腕が立つならばなおさらだ。そのためか、零影の動きに焦りが見えていた。 だが本来のマスターアジアなら、流派東方不敗の必殺の技をもってすれば、この程度の敵に苦戦するはずはない。 己の内に潜む時限爆弾を恐れた彼が、負担のかかるそれらの技を封印して戦っていること。 そしてその爆弾――アルジャーノンを押さえる精神力の限界が近づいていたことをガルドは知らなかった。 「ならば!これでどうだッ!!」 長期戦になりそうな展開に業を煮やしたのか、敵は中距離で人型に変形し、無数のミサイルを花開くように放射状に発射した。 だが、それを見てもマスターアジアは全く怯むことなく直線的に突っ込んでいく。 無謀ではない。むしろ逆だ。 一旦、放射状に広がったミサイルは、獲物を閉じ込めようとする捕食者の顎の様に、零影を目がけて四方八方から降り注ぐ。 マスターアジアはそれを読み切って、敢えてミサイルの雨に突貫したのだ。 大口を開けて喰らいついてくるなら、その口が閉じる前に牙をかいくぐって、その喉笛を食い破る為に。 一直線に迫る零影に向かって、敵は新たに二発のミサイルを発射する。だがそれは最小限の動きで簡単にかわされ、むなしく通り過ぎていった。 後で思えばこのミサイルは不自然だった。 突進してくる相手にわざわざ初速の遅いミサイルを使うより、バルカン砲か、さっき使ったレールガンを撃ったほうがかわされにくいはずだからだ。 トラップだ。 無数のミサイルをあんな中途半端な距離で放ったのは、多少のリスクがあっても突っ込めば一気に接近できると相手に思わせるため。 そして突進してきた相手は二撃目のミサイルをギリギリでかわす。大きくかわしてしまえば反撃にはつながらないからだ。 そこに罠を仕掛ける。 かわしたはずのミサイルが零影のすぐ後ろで爆発した。 あの二撃目はパイロットの手動で自爆させたのだ。かわされてから反応したにしては速すぎる。それを読み切って爆発させたのか。 「ぬおおおおおおおおっ!!」 背中の部分に爆風をまともに受けた零影は、大きく体勢を崩した。直撃でなくとも、積み重ねた連戦の消耗を考えればダメージは深刻だ。 「かかったな阿呆が!」 敵が一気に勝負を決めに出た。両肩部分に青白いエネルギーが集中して、大きな双剣の形をとった。 「おのれ……ダァァァァクネス!!」 まだマスターアジアは諦めていない。 零影の右手に銀色の光が生まれ、迫りくる双剣を迎え撃つ。 「うおおおおおおおおおおお!?」 「フィンガアアアアア!!!!――――ぐおぁっ!?」 二機が交差するその瞬間、零影の右手から光が消えた。まるで蝋燭が消える瞬間の様に。 そして――白銀の双剣が無慈悲に振り下ろされる。 そのまま零影はまっぷたつに切り裂かれ、無情の月下に散った。 「マスターアジアッ!!」 ガルドが叫んでも、その声は届かない。届くはずもない。 代わりに応えるのは、嘲笑を響かせる戦いの勝者。 「機体に随分ダメージが残ってたようだが……実戦じゃあ言い訳にはならんわなぁ!ま、なかなか楽しめたぜ。さあ、貴様にもできるだけ足掻いてもらわんとなあ」 「貴様……!」 ガルドは頭上の敵を仰ぎ見る。そして自分の目を疑うこととなった。 空中の―― 敵の機体の上に―― 生身の人間が立っていた。 月の明かりに照らされた、そのシルエットには左腕が無く―― ざんばらの白髪が風になびき、その表情は人とは思えず―― あれは一体――。 「……超級!覇王ッ!!電・影・だぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」 敵の機体と繋がっているはずの通信から凄まじい絶叫が聞こえたかと思うと、轟音がそれをかき消した。 その音にたまらず通信を切ったガルドが次に見たものは、渦を巻いたエネルギーが白銀の機体を粉々に砕き散らして、地面に突き刺さる瞬間だった。 「あれは……」 首筋の皮膚が粟立った。 嫌な汗が吹き出て止まらない。 眼球の奥が熱くなる。 『それ』はそのまま基地の舗装された地面をも砕いて突き刺さった。 飛び散るコンクリートの破片。 巻き上がる土煙もやがて風によって晴らされて、そして―― できあがった小さなクレーターの中心で、人間大の大きさの何かがもそりと蠢いた。 「あれは……一体……何なんだ……?」 答えるものは誰もいなかった。 【東方不敗 搭乗機体:なし パイロット状況:アルジャーノンの因子を保有(暴走モード)。左腕欠損。 全身の火傷により左腕の出血は止まっていますが、このままでは数十分で死に至ります。 現在位置:G-6 第一行動方針:??? 最終行動方針:??? 【ガルド・ゴア・ボーマン 搭乗機体:エステバリス・C(劇場版ナデシコ) パイロット状況:ややパニック 機体状況:エネルギー消費(中) 駆動系に磨り減り 現在位置:G-6 第一行動方針:東方不敗に対処する 第二行動方針:G-6にて、首輪・マサキの情報を集める 第三行動方針:空間操作装置の発見及び破壊。デビルガンダムへの対処 第四行動方針:チーフとの合流 最終行動方針:イサムの生還および障害の排除(必要なら主催者、自分自身も含まれる ) ただし可能ならばチーフ、自分の生還も考慮に入れる 備考:東方不敗の殺戮衝動の存在に漠然と気付いています】 【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー) パイロット状態:絶好調 機体状態:左腕断裂 背面装甲にダメージ 現在位置:G-6基地(解析室) 第一行動方針:基地に迫る参加者への対応 第二行動方針:首輪の解析、及び解析結果の確認 第三行動方針:ユーゼスを欺きつつ、対抗手段を練る 最終行動方針:ユーゼスを殺す 備考:マシンファーザーのボディ、首輪4つ保有(フォッカーの首輪を回収しました) 首輪100%解析済み(フェイクの可能性あり) 解析結果に不信感。 スパイの存在を認識。それがラミアであることには気付いていない】 【ヤザン・ゲーブル 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α) パイロット状態:死亡 機体状況:爆散 【三日目 1 00】 前回 第233話「ツキヨニサラバ」 次回 第232話「その身に背負うものは」 投下順 第234話「ファイナルステージ・プレリュード」 第232話「その身に背負うものは」 時系列順 第234話「ファイナルステージ・プレリュード」 前回 登場人物追跡 次回 第227話「東方不敗が死ぬ時、殺意は暴走する」 東方不敗 マスターアジア 第235話「東方不敗は死なず」 第227話「東方不敗が死ぬ時、殺意は暴走する」 ガルド・ゴア・ボーマン 第235話「東方不敗は死なず」 第229話「嵐の前の…」 木原マサキ 第235話「東方不敗は死なず」 第229話「嵐の前の…」 ヤザン・ゲーブル -
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前回の更新より二週間ぶりの更新である。一つにはこの夏の熱さにへたばってしまっていた事と、もう一つは三国志関係について調べていたためである。何故に三国志関係なのかは、そのうち作品として上梓できればと思っていたりする。 町の公会堂は集会や催し物だけではなく、町の住民のためにも貸し出される。例えば結婚式の披露宴とか。 ヴェルキンは衣装屋で借りてきた白いスーツを着て、左腕で同じ様に白いドレスを着ているアレシアの細い腰を抱きかかえていた。集会場一杯に人が集まり、山盛りの料理と酒を前に飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎである。普段ミハウ親方のところにパンを買いにくるお得意さんだけではなく、町中の組合の顔役やその関係者まで集まってきていた。 「『苦い』ぞ!」 酒がなみなみとつがれた杯を一気に飲み干した顔役の一人が叫ぶと、それにあわせて皆一斉に杯の中身を飲み干して唱和する。それにあわせてヴェルキンは、夢見心地でぽうっとなってしまっているアレシアのおとがいに右手の指をそえ、もう何度目になるか判らない甘い甘い口付けを交わした。そんな二人の姿を見て、皆は一斉に歓声を上げ、あらためて杯に酒を満たして新郎新婦に乾杯をする。 「帝國」の結婚式のならわしの一つに、招待客が乾杯した酒が苦いと声を上げるごとに新郎新婦が甘い口付けを交わして、後味を変えなくてはならないというものがあった。おかげでヴェルキンとアレシアは、もう何度とも判らないほど互いに唇を重ね合わせる羽目になっていた。 「おめでとう、先生」 「ありがとうございます、隊長」 披露宴の参加者の数が多いため立食式のパーティーとなったせいもあって、ひっきりなしにヴェルキンとアレシアの元に挨拶の客がやってくる。それを適当にあしらっているところに、純白の礼装を着用した憲兵隊長が挨拶にきた。ヴェルキンとアレシアは、あらためていずまいを正すと頭を下げて礼を述べた。 「まあ、色々とありはしたが、お二人とも末永く幸せに過ごされんことを願っている」 「ありがとうございます。今回は色々と無理を聞いていただいたようで、感謝の言葉もありません」 「ありがとうございました、隊長さん。おかげさまで、こうして無事結婚できました。本当になんとお礼を言ったらいいか」 ヴェルキンに寄り添っているアレシアにうるんだ目で見上げられ、憲兵隊長はわずかに苦い笑いを浮かべた。 「何、毎日町の顔役と一緒に通いつめられたのでは、どうしようもない。人の恋路を邪魔して聖ヴァレンティヌスの怒りをかいたくはないからな」 彼の言葉に真っ赤になったアレシアは、そのままヴェルキンにしがみつき、その胸に顔をうずめてしまった。なにしろアレシアは、ヴェルキンの不起訴と赦免を勝ち取るために町中の組合の顔役のところに顔を出し、彼らを引っ張り出しては憲兵隊長のところに陳情に訪れたのである。これが彼女一人なら門前で追っ払われでもしたのであろうが、今や町を実際に取り仕切っている組合のお偉いさんが入れ替わり立ち替わり訪れるのに合わせて陳情されたのでは、いかんともしようがない。彼も憲兵としての仕事が山積みになっている身である。各職能組合との町の治安や行政について諸々の取り決めを行い、ヴェルキンから「二度と町で騒動は起こさない」という誓約書を書かせた上で、不起訴処分と赦免の正式な書面を憲兵司令部に発行させてくれたのであった。 ちなみに「教会」の守護聖人の一人として崇敬されている聖ヴァレンティヌスは、恋愛と結婚と貞淑の守護を司るものとされている。 「本当になんとお礼を申し上げればよいのか判りません」 「ならば、町で騒動が起きないように気をつけてくれ。そろそろ秋の収穫の季節になる。私の部隊は、周辺の村の治安を維持するために野盗討伐に出動しなくてはならない」 「判りました。ご無事を祈っております」 結婚式の披露宴には相応しくない話題であると憲兵隊長も判っているのだろう。ヴェルキンの言葉に軽くうなずくと、彼もグラスをかかげて声を張り上げた。 「美しい花嫁と凛々しい花婿に乾杯!」 「「乾杯!!」」 それに唱和して、皆が一斉に乾杯を叫び杯を空にする。そして彼らは声を合わせて叫んだ。 「『苦い』ぞ!!」 「お疲れ様、アレシア」 「うん、ヴェルキンもお疲れさま」 あれから散々飲めや歌えや踊れやの宴会は続き、披露宴がおひらきとなったのは随分と夜もふけてからの事であった。散々飲んでできあがったアレシアを抱きかかえて下宿へと戻ったヴェルキンは、彼女をそっと寝台の上に下ろした。 結婚したからといって、二人の毎日がそう大きく変わるわけではない。アレシアはパン焼き組合から特別に親方株を格安で譲って貰える事になっているが、それもミハウ親方の許しがあっての事である。つまりはまだまだ見習いとしてパンを焼き続ける日々が続くわけであり、ヴェルキンも小学校の教師としての日々が待っている。 とりあえず変わった事があるとすれば、今日からヴェルキンはアレシアと同じ部屋で寝起きすることになるくらいであろうか。これまで彼が使っていた部屋は、あらためて書斎としてつかわさせて貰えることになっていた。 「お茶でも飲む?」 「ううん、今日は疲れたし、その、……寝たいかな」 「判った。はい、寝巻き」 「……うん。ありがと」 アレシアに寝巻きを渡したヴェルキンが背中を向け着替え始めたのにぎょっとしたアレシアは、慌てて背中を向けると急いで寝巻きに着替え始めた。彼は元貴族で将校であっただけに、どうやら他人の前で着替えをすることにほとんど心理的抵抗が無い様子である。酔いだけではなく、恥ずかしさも一緒になって顔が真っ赤になっている彼女が寝巻きに着替え、寝台のシーツの中にもぐりこんだ時には、すでに彼も着替えを終わらせていた。 「そっちを向いていいかな?」 「う、うん、大丈夫だよ」 ひっぱりあげたシーツで顔半分を隠すようにしているアレシアに、ヴェルキンは寝台に腰を下ろすと楽しそうに微笑んでアレシアの頭をなでた。 「……ヴェルキン、余裕だよね?」 「余裕、というのとは違うかな」 「どう違うの?」 「なんて言うのかな、……やっと戦争が終わったんだ。僕にとっての」 「?」 ヴェルキンが何を言っているのか、アレシアにはよく判らない。「内戦」はもう三年近くも前に終わっているし、町での騒動も半年近く前の事である。 「戦いが終わっても、戦争が終わった事にはならないんだ。軍隊が解散して、皆が故郷に帰って、新しい生活を始める事が出来るようになって、初めて戦争が終わったことになるんだ。僕は自分で故郷を無くしてしまったからね。だから、こうしてアレシアと結婚することができて、ここが僕の故郷になって、ようやく戦争が終わったんだ」 「あ……」 「感謝している、アレシア。そして、愛しているよ」 「……………!?」 ヴェルキンにずっと頭をなでられていて、ぽうっと気持ちよくなっていたアレシアは、不意のその言葉に意識がはっきりしてしまった。そしてその時には彼女の顔のすぐ前に彼の顔が近づいてきていて、おとがいに指が添えられていて、唇が重ねあわされた。 その口付けは、披露宴の時に散々交わされた触れ合うような軽いものではなくて、たっぷりと情感のこもった熱いものであった。 しばらくそうやって情熱的な口付けを交わしてから顔を離したヴェルキンに、ほわほわになってしまったアレシアは焦点の合わない瞳のまま、ちょっとうわずった声でお願いした。 「……あのね、優しくしてね」 「うん、判ってる」 ヴェルキンとアレシアの新婚生活が始まってしばらく経ったある日、町にまたトルステンヌス・メルツァ候が馬車に乗って訪れた。その時二人は、町の射撃場で自警団の皆と射撃の練習をしている最中であった。 「久しいな、ヴェルキン卿。相変わらず良い腕をしている」 射撃場に現れたメルツァ候は、相変わらず黒いスーツを着ていて、そして右目を黒い眼帯で覆っていた。おつきの執事と護衛の兵士らを下がらせると、彼は重い光をたたえた左目でヴェルキンの事を見据えた。 「お久しぶりです、トルステンヌス・メルツァ侯爵閣下。本日はいかなる御用でこの町へ足を運ばれましたのでしょうか?」 射撃場にいる全員が頭を下げている中、一人顔を上げて正面からヘルムート候を見つめ返しているヴェルキンが、そう挨拶を発した。 「トルステンヌス・イェムンヌス公の名代として推参した。至急宗主殿の元へ参じるように、との御言葉である。ついて参れ」 「お待ちください!」 突然一方的に命令を下され、身動きが取れなくなっていたヴェルキンに代わってアレシアが声を上げた。 ぎょっとした自警団の皆の視線が集まる中アレシアは、メルツァ候のことをはっしと見据えて言葉を続けた。 「今のヴェルキンは、この町の市民で、小学校の先生で、自警団の隊長です! オクセンシュルヌスの殿様ならばともかく、トルステンヌスの殿様の命令を聞く理由はないはずです!!」 「……ヴェルキン卿、この娘は何者ぞ?」 「彼女はアレシア、僕の妻です。メルツァ閣下」 そのヴェルキンの答を聞いてメルツァ候は、不愉快そうに目を細めた。 「ヴェルキン卿、いかなる心算があっての事かは知らぬが、トルステンヌス一門に名を連ねる身で大殿の許しも得ず、しかも町娘を娶るとは何事か」 静かだが、その場にいる全員を首をすくませる重みをもった声でそう詰問されたヴェルキンは、だがひるむ事無く答えた。 「僕は、今では一介の市民ヴェルキンに過ぎません。それに、町娘とはいえ妻は古人。何恥じる事もありはしませんが」 「ふん、まあいい。どちらにせよ、そちがオクセンシュルヌスの名を盾に大殿の命に従わぬとあれば、オクセンシュルヌス・トゥルトニウス公御自身にかけあうまで。この程度の些事で余の手を煩わすでない」 「……………」 「町娘とはいえ、古人ならば大殿の前に妻として立つのに恥じる事もあるまし。ついてくるがよい」 二人の回答も待たず、その身をひるがえしたメルツァ候の背中を、ヴェルキンもアレシアもにらみつける事しかできなかった。 「貴様が出奔した事の是非は問うまい。だが、いかに言い募ろうとも貴様の身にトルステンヌスの血が流れているのは事実。その事をわきまえよ」 言われるままにメルツァ候の宿へと連れてこられたヴェルキンとアレシアは、ヘルムート卿の前に立たされ詰問を受ける羽目になっていた。腹立ちを抑えて無表情になっているアレシアとは逆に、不愉快さを隠そうともしないヴェルキンはきっぱりと答えた。 「先ほど妻が申し上げました通り、今の僕はこの町の市民であり、公職につく身でもあります。いかな大殿の御言葉とはいえ、自らの職責を放棄してまで従う義務はありません。それに、先日お誘いはお断り申し上げました。いまさら軍務につくつもりはありません」 「ヴェルキン?」 「前回メルツァ候がいらした時、トルステンヌスの大殿から一門の軍に戻るように、と、お達しがあったんだ。当然断ったけれどね」 「そうなんだ……。でもよかった」 安心したように息をつき、夫の手を握りしめたアレシアに、ヴェルキンは微笑みかけると再度顔をメルツァ候に向けなおした。 「あらためて申し上げます。僕はトルステンヌスの元に戻るつもりはありません」 黙ってヴェルキンの言葉を聞いていたメルツァ候は、すっとわずかに左目を細めた。 「領地を、爵位を、家名を売り、それで一門との縁が切れたつもりでいたか。だが、貴様のその不埒な振る舞いによって何が起きたか、それを知ろうともせなんだか。恥を知るがよい」 「売った相手はゲルトリクス家の遠縁。問題は何もないでしょう」 「たわけが! その遠縁とやらは、領地より奪えるものは全て奪い尽くしてから、全てをどこの誰とも知れぬ馬の骨に売り飛ばしよったわ!! 今やゲルトリクス伯爵領は、細切れにされて競売に付され、領民共もほとんどが逃散した後ぞ。貴様もトルステンヌスに連なる血を引く者ならば、己の我侭が招いた事態を疾く確かめてくるがよい!!」 メルツァ候に大喝され、ヴェルキンは何も言えずにその場に呆然と立ちすくんでしまった。そんな彼とヘルムート卿に交互に視線を向けるアレシアに向けて、老貴族は不愉快さを隠そうともせずに言い放った。 「娘。いかなる心算があってこの者の妻となったか余は知らぬ。だが主の御前にて結婚の誓いをなしたのならば、貴様もトルステンヌス一門に連なる貴顕となった身である。夢その事を忘れるでないぞ」 メルツァ候が部屋を退出し、執事らに慇懃に宿から追い出された二人は、互いに互いの手を握りあったまま呆然とした表情でパン屋へと帰っていった。
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サムネイル カード名 レア コスト AT DF LC AS BS リライズ1 リライズ2 ユーリ・エーベルヴァイン [優しい末っ子] N 3 80 95 380 笑顔の挨拶味方のLCを1.2倍にする 遠慮がちなお願い グランツ・フローリアン [グランツ研究所の博士] N 3 105 140 15 高町なのは [制服魔法少女(空)] N+ 3 740 640 250 高町なのは [純白の魔法少女] N+ 3 700 480 230 高町なのは [射撃系魔法少女] N+ 3 760 720 240 情熱+自分のAT・DFを3倍、LCを1.5倍にする ディバインシューター フェイト・テスタロッサ [制服魔法少女(雷)] N+ 3 970 280 320 迅雷1ターン目の攻撃を完全回避し、次ターンに高威力の一撃を打ち込む(自分のAT×15) ライトニングバレット フェイト・テスタロッサ [黒衣の魔法少女] N+ 3 940 370 270 フェイト・テスタロッサ [高速系魔法少女] N+ 3 980 180 280 アリサ・バニングス [制服魔法少女(炎)] N+ 3 780 300 180 アリサ・バニングス [炎の魔法少女] N+ 3 850 320 170 月村すずか [制服魔法少女(氷)] N+ 3 200 640 240 月村すずか [氷の魔法少女] N+ 3 240 600 250 アリシア・テスタロッサ [制服魔法少女(幸)] N+ 3 420 400 300 T&HインストラクターT H所属デュエリストのAT・LCを1.5倍にする T H名物ハリセンスマッシュ アリシア・テスタロッサ [トリックスター] N+ 3 580 420 340 T&Hインストラクターレアリティ「N+」以下のT H所属デュエリストのAT・LCを1.5倍にする フォーチュンクッキー プレシア・テスタロッサ [次元大魔導士] N+ 3 1000 20 50 ガードブレイク1ターン目のみ敵のDFを75%下げる サンダースフィア
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必要ファクターとコストを支払い、手札にあるアイテムカードを使用します。 アイテムカードの使用時に、アイテムカードをセットするキャラクターを指定します。 アイテムカードをセットされたキャラクターは、アイテムカードに書かれた能力を得ます。 同じカード名のアイテムカードは、自分の場に1枚しか出す事ができません。 1体のキャラクターカードに対し、アイテムカードは1枚までセットすることが可能です。 自分のターンのメインフェイズに、他のカードが使用されていない時のみ使用宣言できます。 第3弾現在、赤5種、黄7種、黒3種、青6種、緑1種、無色2種、全色で24種類存在する。 アイテムカードもネームを持つ。場に同じネームを持つカードがある場合、場に出せないので注意。 例《不屈の妖精“レイジングハート”=イマジナリー》が場にいる場合、《砕けぬ星詠“レイジングハート”・エクセリオン》は出せません。 関連リンク アイテムを破壊するカード一覧キャラクターカードNo.173 《蒼天を纏う騎士”シグナム”&”リインフォースⅡ”》 No.174 《邂逅を果たせた二人の烈火”シグナム”&”アギト”》 ストラテジーカードNo.114 《スピーアアングリフ》 トリックカードNo.016 《紫電一閃》 アイテムをサーチできるカードNo.027 《母性の教師“リニス”》 アイテムを2枚セットできるカードNo.099 《鋼の走者“スバル・ナカジマ”》 No.140 《陸士108部隊陸曹“ギンガ・ナカジマ”》 同じネームを持つアイテムをセットできるカードレイジングハートNo.091 《悪戯心“レイジングハート”オットリッチモード》
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Change the world ~変わる世界~ ◆vXe1ViVgVI G-4に位置する市街地を、一台の大型トレーラーがエンジン音を撒き散らしながら走行していた。 その運転席に座するアレックスは、危なげない手捌きでトレーラーを操り、目的の地を目指していく。 時折後方を振り返るのは、仲間の生存が心配だからか。 満身創痍のLを保護してから、もはや二時間以上もの時間が経過している。 いまだ命を保っている事さえ殆ど奇跡に等しい。 加えて、現在生死の境目をさ迷っている男は、非常に優れた頭脳を有しているのだ。 他を遥かに上回るその頭脳は、このデスゲームを転覆させるに必要不可欠な存在となる筈だ。 喪失する訳にはいかない、必ず延命させねばならない男。 心配するなという方が無理であろう。 (地上本部まではおよそ3km程か。10分もあれば辿り着くだろうが……) 殆ど表情には出さねど、アレックスは焦燥を感じていた。 運転席に設置されたデジタル型の時計を見るに、放送の時間も近い。 あれからザフィーラはどうなったのか。 果たしてLの命を救う事は出来るのか。 機動六課の面々は無事なのか。 焦燥を覚える要素は山のように存在した。 心内に溜まる焦りに乗じて、アクセルを踏む力は強くなる。 それに伴い、段々と加速していくトレーラー。 けたたましいエンジン音が昼間の市街地に吸い込まれ、消えていく。 苛立ちに眉を顰めながら、トレーラーの操作を続けるアレックス。 彼の首輪から放送が流れ始めたのは、それから凡そ数分後の事であった。 この放送にて呼ばれる死者の中でアレックスの知人は四名。 その過酷な現実に直面した時、アレックスはどのような感情を覚えるのか? それはまだ、彼自身でさえ予想する事が出来ないだろう感情。 『戦いの神』としてではなく『機動六課隊員』として、彼は仲間の死を知る。 第一回放送時の死者を聞いた際は、殆ど動揺を見せなかった。 さて今回は―――? ―――時間は刻一刻と、流れていく。 □ ■ □ ■ 放送に対する考察を終えてから数分後、金居は学校に向けて足を進めていた。 灰色のコンクリートで舗装された大通りに沿って、ひたすらに前進。 周囲に警戒を飛ばすのも忘れずに、クワガタ型の始祖たるアンデットが昼間の市街地をひた歩いている。 (それにしても、なぜ俺は首輪の回収を忘れていたのか……) 足を動かしながら、金居はある疑問について頭を悩ませていた。 それは失念していた首輪の存在について。 奢りでも何でもなく、金居は自身が高等な頭脳を有していると自覚している。 だからこそ、今回の失念が彼に与えた衝撃は大きい。 (まさか思考の内容についてまでも制御下に置かれている? ……バカな、流石にそれは有り得ない。 洗脳による思考の束縛ならまだしも、首輪や脱出に関する考察が出来て『首輪の回収』という思考のみを忘れさせるというのは……いや、だが……) 『首輪の回収』という重大な事項を忘却する自分に、金居はどうしても作為的なもの感じずにはいられなかった。 首輪について思い出せなかったのは、あの場に居た四人全員。 弁慶のような単細胞ならまだしも、高町なのはやペンウッドのようなそれなりに頭の切れる奴等までもが、首輪の存在を思い出せなかったのだ。 流石に不自然さが覚えずにはいられない。 (……万が一、という事も考えておいた方が良いか……) 思考の末に辿り着いた答えは保留。 金居自身は殆ど有り得ない事だと考えているが、現状では明確な答えは導けない。 プレシアが人の思考回路を操るだけの『力』を持っている可能性もあれば、偶然に偶然が重なり自分達四人全員が首輪という存在を忘れていたという可能性もある。 どちらか一方の可能性を切り捨てるには、余りに時期尚早。 選択肢の一つとして残しておいても、何ら問題は無いだろう。 「……と……着いたな」 『首輪の忘却』についての軽い考察を終えたその時には、既に金居は学校の付近へと到着していた。 思考への集中により散漫となっていた警戒心を、最大限にまで上げる金居。 校門の影に隠れ膝を付くと、顔の半分を門柱から突き出し敷地内の観察を始めた。 金居は、広大な校庭の隅々にまで視線を送っていく。 (……チッ、やはり居やがったか……) そして、金居は発見した。 校庭のド真ん中にて、悠然と無防備に立ち尽くす男の姿を。 そして、一目で理解する。 奴が、奴こそが、あの『禍々しい気配』の根源だと。 あの紅コートの男は危険だと。 あの男は、不死者である筈の自分の生命を脅かす存在だと……金居は本能で感じ取った。 その頬から、一筋の汗が流れ落ちる。 (……接触は……しない方が得策だな……) その決断は迅速なものだった。 危険だと分かっている相手へと、わざわざ出向く道理もない。 危険だと分かっている相手に、わざわざ遭遇する必要もない。 金居は、発見から数秒とせずに接触を諦め、立ち上がる。 あの男もずっと学校に居る訳ではない筈。 少しの間この近隣の市街地に身を隠し、適当な頃に再び訪れれば良い。 弁慶達の首輪が奪われるかもしれないが、それはそれで諦めるしかない。 あの男と接触してまで、首輪を入手しようとは思わない。 首輪が入手できなかったその時は、USBの中身だけでも確認して、直ぐに立ち去ればいいだけの話だ。 確かに無駄な時間の浪費は惜しいが、身の安全には及ばない。 勝機がない……とまでは思わないが、あの異様な雰囲気を醸し出す男と戦闘して無事で済むとも思えない。 まだ中盤とも言えるこの戦い。無駄なダメージを負う事は避けたい。 それは不死者たるアンデットであろうとも、だ―――。 ―――そう理屈づけ、金居は学校に背を向ける。 あの異様な男の存在は確かにイレギュラーであったが、予想の範囲外と言う訳ではない。 学校に進路を変更した時点で、最悪の展開の一つとして、頭の片隅には置いてあった。 予想をしてあったからこそ、悠然とした心持ちで対処できる。 あの男の発見は、何ら今後に影響する事項では無い。 (……さて、何処で時間を潰すかな) 校門から少し離れた場所で首を回し、周囲を見回す金居。 手頃な建物は直ぐ発見できた。 それは何の変哲もない平屋建ての平凡な民家。 その民家へと金居は悠然と歩を進める。 金居の表情に焦りはなく、また確かな余裕が見て取れた。 そう、金居の判断に間違いはない。 学校にいるアーカードとの接触を避けた事も、アーカードが消えるまで待機を選択した事も、何ら間違いではない。 むしろ現状からすれば的確な判断。 流石は、あの熾烈なバトルファイトを最終盤まで生き残るアンデットと言えよう。 だが、ただ一つ、金居は重大な見誤りをしていた。 いや、これを見誤りと言うには余りに酷か。 不運……そう、金居は不運だっただけなのだ。 彼の行動に間違いはなく、ただただ不運だった。 その頭脳を持って立ち回るには、その判断を持って回避するには―――余りに相手が悪すぎた。 吸血鬼の始祖たる化け物から逃亡を成功させるには、彼の最適な判断を持ってしても、全てが足りない。 吸血鬼の『第三の目』からは、逃げ切れない。 轟音と共に、彼の右手側から、白銀の十字架が飛来した。 十字架は、金居の直ぐ手前の地面に突き刺さり、彼の足を止める。 金居は、十字架の直ぐ手前の地面に立ち止まり、呆然と飛来物を見詰める。 十字架を投擲した男は、数秒前まで学校と市街地とを区切っていたコンクリートブロックを踏みしめながら、金居に向けて笑顔を飛ばす。 急変を見せる事態に、さしもの金居も動きを忘れ、立ち尽くしていた。 制止する彼の世界を再び動かしたのは、鮮血の如く紅を身に纏った男の一言。 「さて、私はお前に聞かなければならない事がある」 クワガタムシの始祖を前に、吸血鬼の始祖は語る。 紅色のコートを棚引かせ、紅色の瞳を歪ませて、万にも及ぶ命を啜ってきた口を開く。 「我がマスターを、インテグラル・ファルブルケ・ヴィンゲーツ・ヘルシングを殺したのは―――貴様か?」 頬に残る涙の残滓を拭き取ろうともせず、吸血鬼はただ一つ、問い掛けた。 心の奥底にたぎる憤慨を、一縷たりとも面に出す事なく―――不死王は不死者の前に降臨した。 □ ■ □ ■ 「ふむ、そうか。貴様が訪れた時には既にインテグラルは殺されていたか」 「ああ、そうだ。……すまないな。お前の知人だと知っていれば、首輪のサンプルを取ろうとは考えなかった」 邂逅から数分後、不死者と不死王は肩を並べて市街地を歩いていた。 歩きながら行われているのは、互いが持つ情報の交換。 遭遇時とはまるで正反対の、比較的穏やかな雰囲気が二人の間には流れていた。 「……それにしても少し予想外だったな」 「何がだ?」 「いや、ペンウッドの話していたお前とはまるで印象が違っていてな。 奴の話によると、アーカードという吸血鬼は確実に殺し合いに乗っているとの事だったが」 「流石はペンウッドだ。良く分かってるじゃないか。まさにその通り、私は殺し合いに乗っていた。 そしてこの十二時間、闘争に闘争を重ね、人々を殺害して回ったよ」 男が口にした最初の問いに、金居は平然と嘘を吐いた。 アーカードに発見された事に多少の動揺は感じていたものの、頭脳は普段通りに動いてくれた。 冷静に思考し、動揺を心中に留め、嘘の解答を導き出したのだ。 勿論アーカードにその虚言を見抜く術は無く、完全にではないだろうが、金居の言葉を信じてしまう。 本心はどうあれ、表向きは主催への対抗を方針とする二人。 二人は互いが持つ情報を交わし合いながら、市街地を歩き始めた。 「……その吸血鬼が何故主催者に対抗する道を選んだんだ? この十二時間の間に……お前に何があった」 素直に情報交換に応ずるアーカードを前にして、金居は違和感を覚えずにはいられなかった。 そして、ある種の……俗に嫌な予感と云われる感情を感じていた。 登場時の行動は常軌を逸していたが、それ以外はペンウッドの話とは正反対の紳士ぶり。 しかしながら、ペンウッドやインテグラルという人物に付いてもしっかりと把握している。 本人しか知る筈の無い情報を有し、だが事前に聞いた人物像とはまるで違った男。 眼前の男が本当に『アーカード』なのか……金居には判断する事が出来なかった。 「対した事ではない。ただ主人の命令に従ったまでだ」 「……命令……? だが、お前の主は学校で死んでいたのでは……」 「そう、死んでいたよ。そして最期の最期、燃え尽きる寸前の篝火で伝えたのだ。私に、主人の言い付けすら守れなかった私に……最期の命令(オーダー)を遺して死んでいったのだ」 アーカードの言葉に金居の疑念は溶け去っていった。 確かに金居の一撃はインテグラルの胸元を貫いた。 だが即死だったかと問われれば、彼自身確信は持てない。 死に至る寸前に、何らかのメッセージを残す事は可能だったのかもしれない。 つまりはそうだ。 自分は、最強の吸血鬼と、それを止める唯一の『鍵』とを引き合わせてしまったのだ。 吸血鬼の殺戮劇を続行させようと行った事が、結果としてその幕を下ろすきっかけとなってしまった。 そして誕生したのは、殺し合いを阻止せんと行動する不死王。 優勝を目指す者達からすれば、厄介この上無い存在。 主催者に対する者達からすれば、これ以上無い程に心強い味方。 『鍵』を破壊したつもりが、二人を引き合わせす結果となった。 自身の行動が齎した現状に、思わず金居は歯噛みする。 「……参加者だ」 そんな金居を尻目に、アーカードは行動を始めていた。 唐突にある方向……市街地の南側へと視線を向け、そこに建ち並ぶビル列を見詰める。 そのアーカードの異変に金居も気付くが、彼の行動が何を意味するかまでは分からない。 「何を言っている? 何処にも人の気配はないが……」 「音だ。南の方からうっすらとだがエンジン音が聞こえる。おそらく大型車……この会場内で仕入れたか、支給されたかのどちらかだろう」 アンデットである金居も、常人とは比較にならない程の感覚神経を持っている。 だが、その聴覚を総動員してもエンジンの音などは感じ取れない。 この察知能力、流石は最強の吸血鬼と言ったところか……と、僅かな感心と脅威とを覚える金居であった。 「少し見てくる」 一言そう告げると、アーカードはビルの一つへと近付いていく。 そして、それがさも当然のように―――ビルの壁へと『垂直』に立ち上がった。 重力という概念をまるで無視した行動。 その光景に金居は目を見開き、驚愕を面に出していた。 悠然と歩を進めながら壁を登っていくアーカード。 その身体が屋上へと到着したのはほんの十数秒後の事であった。 「あそこだな。人数は二人……一人は死にかけか」 とはいえ、屋上からであっても市街地を見渡す事は不可能。 建ち並ぶ多種多様の建造物が阻害し、市街地の全貌を把握することは出来ない。 ましてや、走行する車両の発見など出来る筈もない。 その筈なのだが―――アーカードの表情と発言は、捜索の成功を告げている。 小さく頷くと、アーカードは寸分の躊躇いも見せずに屋上から飛び降りた。 重力に引かれ、その落下速度はどんどんと加速していく。 だが、アーカードは動揺する様子を全く見せず、そして優雅に着地した。 多大な衝撃がその両脚に掛けられた筈なのに、身じろぎ一つしない。 それどころかその様子はまるで羽毛が舞い落ちたかの如く。 アーカードは再び金居の前へと現れた。 「南東に約1km……そこを漆黒のトレーラーが走っていた。中には男が二人。一人は無傷、一人は死にかけだ。 おそらくはあの高層ビルでも目指しているのだろう。接触するぞ」 「……この位置から良く見付けられたな」 「意識して隠れているのならまだしも、あれだけ大っぴろげに動いているのだ。吸血鬼の『第三の目』からは逃れられんよ」 そう言い放つと、アーカードは金居に背を向け、市街地の奥へと進んでいく。 その後ろ姿を見詰めながら、金居は思考する。 どうやってこの化け物を殺害するか―――ただそれだけをひたすらに考える。 (ペンウッドの言う通りだな……コイツは大した化け物だ) 遭遇から僅か十数分であったが、金居はアーカードの異常性を充分に理解していた。 完璧に隠れていた筈の自分を易々と見付け出した察知力。 制限下に在りながら1km先のエンジン音を聞き取る聴覚。 建ち並ぶビルの数々を物ともせずに1km先を走る車を発見し、その状況すらも把握した視覚。 成る程、化け物という言葉が此処まで当てはまる者もそうは居ないだろう。 だが――― (―――殺す方法がない訳ではない) そう、この殺し合いに参加させられている時点で断定できる。 こいつは死ぬ。 ペンウッドの口は、まるで打つ手がない最強の化物のように語られていたが、それは違う。 こいつは死ぬのだ。少なくとも首を斬り落とせば、こいつは死ぬ。 首輪が装着されてる時点で、それは自明の理。 殺せる存在なのだ。 自分達アンデット同様、制限によりこいつは『殺せる存在』に成っているのだ。 (……だが、慎重に動く必要はあるか……) とはいえアーカードが難敵であることもまた事実。 単純な不意打ちではおそらく殺害には至らない。 行動を起こす時は慎重に慎重を喫し、攻撃する時は全力に全力を込めた一撃により一瞬で終わらせる。 まともな戦闘になれば無駄な被害を被るのは分かりきっている。 下手すれば『死』に繋がる程の傷を負う可能性すらある。 この状況を切り抜けるには、慎重さを欠いたら話にもならないだろう。 「おい、不死者(ノストラフィラ)。置いてくぞ」 アーカードの声に思考を打ち切り、金居は足を動かし始める。 焦る必要はない。 じっくりと機が熟すのを待てば良い。 ……そう考え、金居はアーカードと行動を共にする。 自身の行動が招いた状況に頭を悩ませながらも、金居は動く。 優勝し自分達の世界を手に入れる為―――ただそれだけを望みクワガタムシのアンデットは前に進む。 □ ■ □ ■ アレックス達が地上本部に辿り着いたのは、放送が終わってから約十分後の事であった。 到着したアレックスはLを背負い、出来るだけ振動を与えないよう走り出した。 地上本部の医務室は一度だけ利用した事がある。医務室に着くのに大した時間は掛からなかった。 Lをベッドの一つに寝かせると、アレックスは治療を開始する。 治療器具も設備も充分。ただ足りない物はアレックスの知識のみ。 如何に知識を振り絞ろうと、応急手当ての範囲を出る事はあらず。 だがそれでもと、出来る限りの治療をアレックスはLへと施していく。 アレックスの手が止まったのは、Lの身体が包帯と湿布に覆い隠されたその時。 溜め息と舌打ちとを吐き捨て、アレックスは付近に置かれた回転椅子へと腰を落とした。 その表情は……悔しさに満ちた物であった。 「……無理か……」 手は尽くした。彼の持つ知識の限りに、治療は行った。 だが、到底足りない。余りに時間が経ち過ぎている。 もはや応急処置でどうこうなる状況を逸脱していた。 救えない。 自分では、この命を、救えない。 ―――その事実がアレックスの感情を蝕んでいた。 「……済まない、ザフィーラ」 思い出されるは、数時間前自分に全てを託して殿を勤め、そして先の放送で呼ばれてしまった守護獣の姿。 恐らくはあの紫色の大蛇との戦いで死亡したのだろう。 自分が残っていれば、とは言わない。 ただその最期の頼みを叶えられなかった事、それが、それだけが悔やまれる。 「機動六課の奴等も殆どが死亡した……残るはヴィータ、キャロ・ル・ルシエ、スバル・ナカジマのみか」 死に掛けのLを見詰めながら、アレックスは一人言葉を紡ぐ。 放送で告げられた、新たなる世界で出会った仲間達の死。 何もせずにいた自分がいる一方で、死者の数は膨れ上がっている。 仲間の殆どは死亡し、自分はのうのうと生き延びている。 何が違ったのか。 死んだ仲間達と自分とでは何が違ったのか。 分からない、分かる訳のない問いが脳裏に纏わりついていた。 「闘争……」 思えば自分はこの殺し合いの場で闘争らしい闘争をしていない。 唯一の闘争はセフィロスやシグナムの三つ巴のみ。 その三つ巴も結果として逃亡を選択した。 闘争を運命付けられた自分とは思えない、此処までの道のりであった。 「これは運命から逃れられたという事なのか……?」 自問に対する解答は瞬時に思い浮かんだ。 アレックスは自嘲の念と共にその答えを口にする。 「……違うな」 違う、自分は運命から逃れられてなどいない。 心の奥底で求めている。 闘争を、血湧き肉踊る闘争を……求めている。 だが――― 「だが、俺は……決めた」 そう、自分は決めた筈だ。 運命に縛られた闘争は、もうしないと。 奴等と同様に、自分の意志による闘争を行おうと……新たな世界に飛ばされた時に誓った。 だから、この殺し合いに於いても無駄な戦闘はしない。 プレシア・テスタロッサを―――闘争を強制させる魔女を打倒する為に、力を振るう。 心中に宿る渇望などは二の次だ。 死んでいった仲間の為に―――、 眼前で死へと向かっている仲間の為に―――、 そして――― (―――俺は……俺の為に……力を使う) 『戦いの神』としてではない。 キース・シルバーとしてではない。 ただ一人の意志を持った人間・アレックスとして、力による自由ではない、真なる自由を勝ち取る為に―――戦おう。 「だから……済まない」 Lのデイバックを回収し、アレックスは立ち上がる。 今この場に居続けたところで、彼に出来る事は何も無い。 出来うる限りの治療はしたのだ。 しかし、それでもLの命を救う事は不可能であった。 これ以上アレックスに出来る事といえば、その死の瞬間を看取る事のみ。 だが、その行動には何ら意味が無い―――と、アレックスは冷徹に断定する。 そうして無駄に時間を浪費するならば、一分一秒でも早く行動を始めるべきだ。 その一分一秒で救える命が有るかもしれない。その一分一秒で打開が可能な状況が有るかもしれない。 ならばこそ、今は動く時だ。 (取り敢えずは地上本部の内部を捜索するか。何か出て来るかもしれん) 緩慢なる死へと向かうLを放置し、アレックスは出口へと近付いていく。そして扉は開く。 外に広がるは今までの世界とは別の新たな世界。 仲間達の死を背負い戦う事を決意したアレックスの、新たな闘争の世界。 彼はその世界へと踏み出した。 【1日目 日中】 【現在地 E-5 地上本部内部】 【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】 【状態】健康、疲労(小) 【装備】なし 【道具】支給品一式×3、首輪探知機、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(刻印ナンバーⅥ、幻術魔法で花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察に関するメモ、ランダム支給品(ザフィーラ:1~3) 【思考】 基本:この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる。 1.地上本部の中を探索する 2.自分の意思による闘争を行う。 3.六課メンバーと合流する。 4.キース・レッドに彼が所属する組織の事を尋問する。その後に首輪を破壊する。 5.東側に医療設備が偏っているのが気になる。 6.このまま行動していてキース・レッドに出会えるのだろうか。 【備考】 ※身体にかかった制限を把握しました。 ※セフィロスはデスゲームに乗っていると思っています。 ※はやて@仮面ライダー龍騎は管理局員であり、セフィロスに騙されて一緒にいると思っています。 ※キース・レッド、管理局員以外の生死にはあまり興味がありません。 ※参加者に配られた武器にはARMS殺しに似たプログラムが組み込まれていると思っています。 ※殺し合いにキース・レッドやサイボーグのいた組織が関与していると思っています。 ※他の参加者が平行世界から集められたという可能性を考慮に入れました。 ※ザフィーラから第1放送の内容とカードデッキに関する簡単な説明を聞きました。 ※市街地東側に医療設備が偏っていることから、西側にプレシアにとって都合の悪いものがあるかもしれないと推測しています。 【黒の騎士団専用トレーラーの状態】 ※トレラーは地上本部入り口前に放置されています。 ※内部のコンピューターのOSは地球及びミッドチルダのものと異なります。 ※機械設備や通信機能は全てコンピューター制御です(ただし居住スペースはその限りではない)。ギアス世界のOSを知る者もしくはOS自体を書き換えない限り使用不可能です。 ※ベノスネーカーとの接触でエンジン部に多大なダメージを負いました。このまま走らせるとエンジン部が爆発する可能性が非常に高いです。アレックスはこの事にはまだ気づいていません。 □ ■ □ ■ そして、死に掛けの探偵が残された医務室。 治療を施されたとはいえ、重傷のその身体はゆっくりと死へと進んでいく。 唯一の味方も離れていった。 もはや手の尽くしようはなく、世界最高と云われた探偵は再び黄泉の世界へと引きずられようとしている。 もはや誰にも手の尽くしようはない。 もしこの場に医師が居たとしても、そのボロボロの身体を一目見ただけで、直ぐさま諦めてしまうだろう。 医者と言えど全ての人間を死の淵から救える訳ではない。 どうしようも無い、どう治療しても救う事が出来ない患者は居るのだ。 今のLなど、将にそうだ。 医者には、いや人間にはどうする事もできない状況。 ―――そう、人間にはどうする事もできない状況であった。 「なあ金居、人間を殺すのは何だと思う?」 だが、どうだろう? 彼等のような人外の化け物達にとっては、Lは本当に手の尽くしようのない患者なのか? 彼等のような死を知らぬ化け物達にとっては。Lは本当に手の尽くしようのない患者なのか? 答えはノーだ。 「……今は謎掛けなどをしている場合では無いと思うが」 「答えは簡単だ。『あきらめ』さ、『あきらめ』が人を殺す。絶望的な状況であきらめなかった者のみが、生を掴む事が出来る。 あきらめを拒絶した時、人間は人道を踏破する権利人となりうるのだ」 何時のまにか、医務室に二人の男が立っていた。 男達は死に掛けのLを見下ろしながら、言葉を交える。 片や呆れの色を、片や興味の色を、その表情に浮かべながら、二人はそこに居た。 「この男は助からないな。治療した痕があるが……おそらくは諦めたんだろう。まぁこの様子なら仕方ないだろう。 血の臭いを辿って此処まで来たが……無駄手間だったな」 「そうかな? この男はまだあきらめていないぞ。こんな状況に陥りながら、未だ『生』を掴もうとしている」 「……確かにあきらめは人を殺す。だが、あきらめなかったからといって、人間が生き延びられる訳ではない。 意志だけではどうにもならない事もある。そうだろ? 」 「そうだ。あきらめなかったからといって、必ず生き延びられる訳ではない。だが、あきらめなかった者が機会を得るのだ―――今回のようにな」 吸血鬼のその行動を、不死者は止める暇もなかった。 Lの首元に顔を近付け、刃物のように洗練された牙を血管へとめり込ませる。 そして―――噴き出したその真紅吸い上げた。 Lの身体を循環し続ける血液が、吸血鬼の喉を通り過ぎ、浸透する。 血液を通貨とした魂と命の同化。 人間を超越する為の儀式。 これが男の生存できる唯一の方法。 Lは、Lの諦めなかった心が―――最後のチャンスを掴み取ったのだ。 「あの男は放っておいて良いのか?」 数分後の市街地、アーカードと金居の二人がそこを歩いていた。 ポツリと放った金居の問にアーカードは笑顔を浮かべる。 そして、ゆっくりと振り返り、その視線を金居へと合わせた。 「さあな。奴がどうなるかは私にも分からん。 だが、最低限の書き置きはしておいた。奴がどう行動するかは、奴自身が判断をする事だ。 理性の欠片もないグールになる可能性だってあるし、吸血鬼になったとしても、化け物の身体での『生』を望むかは分からない。 化け物となった自分に悲観し、自らの死を選ぶ可能性も十二分に有り得る」 心底楽しそうにアーカードは語る。 男の―――最期まであきらめる事をしなかった男の、その可能性を、その選択を待ち望む。 「まぁ良いがな。俺としては奴の生存を願うまでだ。……それともう一人の男の事だが」 「トレーラーは入り口に止まっている。おそらくこのビルの内部でも探索しているのだろう」 「接触はしないのか?」 「探すのが面倒だ。あれだけ広大なビルになると、人一人を見つけ出すの流石に難しい。その全身に大量の血液を纏っているのならまだしもな」 「ならば工場への到着を先に目指すか……まぁ良いだろう」 二人のアンデットが市街地を歩いていく。 互いの目指すものは正反対。 なれど不死王は不死者の真意に気が付く事がなく、主の命を守る為に進んでいく――― 【1日目 日中】 【現在地 E-5 市街地】 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式×2、トランプ@なの魂、いにしえの秘薬(残り7割)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、砂糖1kg×8、 カードデッキの複製(タイガ)@仮面ライダーリリカル龍騎、USBメモリ@オリジナル、S W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、コルト・ガバメント(6/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女、ランダム支給品0~1 【思考】 基本:プレシアの殺害。 1.プレシアとの接触を試みる(その際に交渉して協力を申し出る。そして隙を作る)。御褒美の話については状況次第。 2.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する、強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。 3.利用できるものは全て利用する。邪魔をする者には容赦しない。 4.隙を見てアーカードを殺害する。 5.アーカードの隙を見て、USBメモリの中身の確認を行う。 6.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。 .もしもラウズカード(スペードの10)か、時間停止に対抗出来る何らかの手段を手に入れた場合は容赦なくキングを殺す。 【備考】 ※このデスゲームにおいてアンデッドの死亡=カードへの封印だと思っています。 ※最終的な目的はアンデッド同士の戦いでの優勝なので、ジョーカーもキングも封印したいと思っています。 ※カードデッキ(龍騎)の説明書をだいたい暗記しました。 ※殺し合いが適度に難航すればプレシアが介入してくると考えています。また、首輪を運良く解除出来てもその後にはプレシア達との戦いが待っていると考えています。 ※参加者が異なる並行世界及び時間実から連れて来られている可能性に気が付きました。 ※ジョーカーが殺し合いに乗っていないでインテグラルと組んでいた場合、アーカードを止める鍵になる可能性があると考えています。 ※制限に気が付きました。また、変身時間の制限も元に戻った後50分は再変身出来ない所までは把握しました。なお、変身不能から丁度1時間経過した為変身が可能になりましたがまだその事には気付いていません。 ※プレシアに思考を縛る力があるかもと考えています 【アーカード@NANOSING】 【状況】健康、昂ぶり、アンデルセンの死への悼み、セフィロスへの対抗心 【装備】パニッシャー(砲弾残弾70%/ロケットランチャー残弾60%)@リリカルニコラス 【道具】支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書 【思考】 基本:インテグラの命令(オーダー)に従い、プレシアを打倒する。 1.プレシアの下僕を誘き寄せるために、工場に向かい首輪を解除する。 2.積極的に殺し合いに乗っている暇はないが、向かってくる敵には容赦しない。 3.工場へ向かう道中で、首輪を解除できる技術を持った参加者を探してみる? 4.セフィロスは自分の手で殺す。アンデルセンを殺した奴も殺す。 【備考】 ※スバルやヴィータが自分の知る二人とは別人である事に気付きました。 ※パニッシャーは憑神刀(マハ)を持ったセフィロスのような相当な強者にしか使用するつもりはありません。 ※第1回放送を聞き逃しました。 ※ヘルメスドライブに関する情報を把握しました。 ※セフィロスを自分とほぼ同列の化物と認識しました。 ※今回のゲームはプレシア単独で実行されたものではなく、共犯者ないし部下が協力していると考えています。 また、首輪が解除された場合の主催者の対処法が、「刺客を送り込んで強制的に排除させる」というものだと考えています。 □ ■ □ ■ 再び場所は移り変わり地上本部の医務室。 そこには世界最高の頭脳を持つ男が一人横になっている。 男が眠るヘッドの横に設置された寝頭台には、一枚の紙が残されていた。 それは真祖たる吸血鬼が置いていったメッセージ。 化け物となった男に問う、最後の判断。その内容は以下の通りである。 『もしお前が食人鬼(グール)とならず、吸血鬼になったとしたならば伝えておく。 判断しろ。化け物として生きるか、それとも人間の尊厳を持ったまま死ぬのかを。 判断しろ。闇の元でしか生きていけない下等な存在となるのか、人間としてのお前で居続けたいのかを。 なに、死を選んだとしても大した苦痛はない。普段通りに日の下へ身体を放り出せば良いだけだ。 たったそれだけでお前は死ぬ事ができる。痛みは一瞬だ。一瞬でお前は元あった通りに塵となれる。 機会は与えた。後の判断をするのは全てお前だ。 お前自身が、お前自身の意志を持って、日か影かどちらかの世界を選べ』 吸血鬼となってしまうのか、理性の欠片もない食人鬼(グール)となってしまうのか……それは誰にも分からない。 ただ一つ確かな事は、Lは以前のような生き方は望めないという事のみ。 日の当たらない建物の中、Lの世界が変わっていく―――。 【1日目 日中】 【現在地 E-5 地上本部・医務室】 【L@L change the world after story】 【状態】全身打撲(治癒中)、全身裂傷(治癒中)、中程度の出血(治癒中)、右足粉砕(治癒中)、気絶中、吸血鬼orグール化 【装備】全身に包帯と湿布 【道具】なし 【思考】 基本:プレシアの野望を阻止し、デスゲームから帰還する。デスゲームに乗った相手は説得が不可能ならば容赦しない。 ※以下気絶前の思考。 1.機動六課隊舎でザフィーラ達を待ちながら、首輪の解析。 2.メタルゲラスがかがみを連れてきたら、改めて拘束するなり、落ち着かせるなりして、尋問。 3.10時までにザフィーラ達が来たら、ミラーモンスターを倒しにかかる。来なかったら、鏡のない部屋に引きこもる。 4.以上のことが終わったら、船を調べに、その後は駅を調べにいく。 5.通信で誰かと連絡がついたら、その人と情報交換、味方であるなら合流。 【備考】 ※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました。 ※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています。 ※ザフィーラ以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストはゲームに乗っている可能性があると判断しています。 ※首輪に何かしらの欠陥があると思っています。 ※アレックスからセフィロスが殺し合いに乗っているという話を聞きました。 ※吸血鬼になるかグールになるかは、後の書き手に任せます Back 銀色クアットロ(後編) 時系列順で読む 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